両眼眼球運動機能を備えた遠隔移動走行車の3D視覚環境

摘要

近年無人走行車の研究が行われ，公道を走らせる実験が行われている．無人走行車の事故意時の責任問題が浮上する中，より現実的なヒトが遠隔で操縦する有人遠隔走行車を提案する．ヒトは移動せずに，物の輸送の負担を軽減できる．車を操縦する場合に，映像確保の負担を軽減するために，眼球の動きでカメラを動かす3D視覚環境を提案する．観測するユーザの頭部の動きと両眼眼球運動に追従するように6つのサーボを用いて制御する．制御された二つカメラの映像が，自動車を操作するユーザーに送られる．また両眼眼球運動と頭部の動きに追従して動く右カメラと左カメラの映像を右目左目に，送るよう制御できる3Dディスプレイを用いる．ユーザが作業するコンピュータにはカメラが装着されており，その映像をもとに視線や頭部の動きを観測する．本論文では実際にユーザの頭部の動きと両眼眼球運動を推定するカメラとユーザの両眼眼球運動に追従する6つのサーボで駆動するカメラとそのカメラからの映像を見せる3Dディスプレイからなる3D視覚環境を構築し，動作させることで有効性を示す．