多視点画像による類似形状を有する3次元物体の高精度識別の検討

摘要

近年，多視点画像を用いた3次元物体識別システムの有効性を示す研究成果が報告されている．しかしながら，これらのシステムで対象としているのは顔などの形状やテクスチャが明確に異なる物体であった．これに対して多視点画像認識の適用範囲が拡がるに伴い，人の目では判断が極めて難しいような類似した形状，テクスチャ，色を有する物体同士を対象にする必要が出てくると考えられる．本稿では，このような類似物体を高精度に識別するためには，どのような視点の画像を獲得するか，更に単一の識別特徴の限界を超えるべく，複数の識別特徴を如何に統合することで性能向上ができるか検討する．具体的な類似物体として100個の“林檎”を用いて評価実験および考察を行ったので，これについて報告する．