太陽熱を利用したエジェクタ·蒸気圧縮式複合冷凍サイクルに関する研究

摘要

化石燃料の消費量削減のために自然エネルギーの活用が求められている．特に太陽熱の活用を考えた場合，冷凍サイクルを動かすために燃料として投入することが有効である．熱を動力源とする冷凍サイクルとしては，吸収冷凍機やエジェクタ冷凍サイクル，デシカントシステムへの利用が考えられる．中でもエジェクタ冷凍サイクルはそのものの効率は低いが，蒸気圧縮式冷凍サイクルと組み合わせた場合に実用的な効率となりうる[1]．そこで熱源として太陽熱を利用した場合のエジェクタ·蒸気圧縮式ハイブリッドヒートポンプを実用に供するべく，以下の事項に焦点を当てていく:(1)エジェクタ·蒸気圧縮式複合サイクルの温度·圧力条件下で最適なエジェクタ形状の提案(2)同じく複合サイクルの条件下でエジェクタ性能を予測できるシミュレーションモデルの開発(3)R32やR1234zeといった低GWP新冷媒を使ったときの性能把握(4)フィールドテストにおいて実条件下でサイクルを動かした時の性能把握．本報では複合サイクルにおけるエジェクタの設計と，先細ノズルを用いたエジェクタの性能について調べ，その結果を報告する．