冷媒分配器内気液二相流へのマルチスケールシミュレーション技術の適用検討

摘要

冷凍空調製品内の流動は，気相と液相が混在する気液二相流で構成され，μmからmmのマルチスケールの気液界面で構成されている。そのため計算格子を用いるグリッド法［1］［2］［3］で解析すると，計算格子サイズ以下の気液界面は数値拡散により消失してしまう問題がある。一方，粒子法[4]［5］は粒子をLagrangian座標で扱うために，数値拡散による気液界面の消失を防ぐことが可能である。上記の問題は気液二相流を扱う工業製品に共通の課題であり，過去に我々は自動車用燃料噴霧解析を目的に，従来のグリッド法と粒子法を併用するハイブリッド法を開発した［6］［7］。本研究では，ハイブリッド法を冷媒分配器の気液二相流動に適用し，その適用見通しを検討した。