空調機用パラレルフロー型熱交換器の開発（マイクロチャンネルを適用した蒸発器高性能化技術）

摘要

空調機における省エネルギー化に対する要求は年々大きくなる一方，市場においては空調機の小型化が求められている．熱交換器は空調機の効率およびサイズを決定する上で最も重要な要素部品の一つであり，これまで多くの研究開発が行われてきた．Fig.1に熱交換器の高性能化の推移を示す．自動車業界では従来のフィン＆チューブ方式をマイクロチャンネルを適用したパラレルフロー方式に変更し（1988年），熱交換器の大幅な小型·高性能化を実現した．当社においても，2006年以降，冷房専用モデルの室外機（凝縮器）にパラレルフロー型熱交換器を適用し，室外機サイズを約20％縮小した．Table 1に家庭用および自動車用熱交換器における使用条件を示す．側圧力損失の増大，コルゲートフィンにおける凝縮水の排水性等，多くの課題のために空調機への適用実績は無かったが，本稿では上述のさまざまな課題を解決し，パラレルフロー型熱交換器を室内機に適用することで室内機（床置き型）サイズを約30％縮小した事例を紹介する．