水噴霧外気冷却によるソーラデシカント空調システムの性能向上評価

摘要

デシカント除湿空調機は, 換気型且つ除湿重視の熱駆動冷房装置であり, 屋内空気質の改善効果も得られるとして近年注目されている．更に, 従来の冷房装置と異なり地球環境に有害なフロン冷媒も不要で, 消費電力も尐ないため, 二酸化炭素排出量削減に貢献できる技術であり, 実用化が期待されている．しかしながら現状では, 比較的大型で且つ高価格であるため, 一部の大型店舗や病院への導入が中心で, 一般家庭への導入はほとんど行われていない．一方, 屋外の冷房装置として水噴霧装置を設置する施設が増えている．水噴霧冷却は, エアコンによる冷房とは異なり, 外気温度と相対湿度で下げられる温度に限界はあるが, 消費電力も尐なく, 環境にやさしい冷房である．また,ガスタービンの空気圧縮機や業務用エアコン室外機の空気取り入れ口に水噴霧を行い, 夏場の出力アップやピーク電力負荷低減にすでに行われている．そこで我々は, 家庭用のデシカント除湿冷却システムにこの水噴霧冷却を活用する場合の性能向上をエクセルギー面からプロセスシミュレータを用いて評価した．