食品表示の監視と偽装表示を見分ける分析技術

摘要

今，スーパーマーケットの店頭には様々な食品が並んでいる。加工食品はもとより，生産·流通·保存技術の進展により生鮮食品であっても例外ではない。これらが国産か輸入されたものか，原材料は何かなどを外見から判断することは専門家であっても難しく，消費者は表示を食品購入の際の重要な情報源としている。それにもかかわらず，産地偽装，品種偽装，賞味期限改竄等々，様々な偽装表示が報道で取り上げられることが少なくない。消費者が安心して食品を購入できるよう国や都道府県などが食品表示の適正化に努めており，（独）農林水産消費安全技術センター（以下，FAMIC）も科学的な知見や分析技術を活用してその一翼を担っている。