食品の品質と安全性の分析機器について

摘要

「食」は我々人間にとって必要不可欠なものであり，食品は人の生活とともに長い歴史を歩んできた。古代エジプト人は，肉や魚を塩漬けにして保存したと言われている。塩は，とても馴染みの深い調味料であるが，彼らが塩漬けに使った岩塩は，所謂，食品添加物に相当する。パンは麦の栽培が始まった紀元前6000年頃には作られておりし，紀元前2000年頃に野生酵母による発酵パンが既に作られていたそうである。飲み物のワインやビールも紀元前まで遡るとも言われている。食品はこんなに古くから今日に至るまで，人間にとってとても身近な必需品である。1952年，アーチャー·マーティンとリチャード·シングがクロマトグラフィーの研究成果によりノーベル化学賞を受賞した。マーテインはビタミンEおよびビタミンB_2やアミノ酸の研究でクロマトグラフィーを用いた。本稿では，食品とアジレント·テクノロジー㈱のクロマトグラフィー機器を中心として，食品の品質と安全性の分析について記述する。