ビル用マルチエアコンの革新的省エネ制御の研究開発 第二報 空調試験室の実測データに基づく性能評価

摘要

近年、オフィスビルなどの業務用建物にビル用マルチエアコンが多く用いられるようになってきており，空調エネルギー消費量の削減はエネルギーの有効利用の面から重要となっている．ビル用マルチエアコンでは、年間を通じて運転時間が多い低負荷領域でのエネルギー消費効率の向上や，冷房暖房同時運転の快適性向上と省エネ性向上を両立できる制御技術が求められている．前報では，上記の技術課題を解決するための新制御技術と、その省エネルギー効果をシミュレーションにより明らかにした．本報では，前報で述べた新制御の省エネ性を実機により検証するため、空調試験室における部分負荷性能試験の結果と，実際のオフィスビルにおいて計測した年間の運転状態を組み合わせ，従来制御と新制御のエネルギー消費効率の比較評価を行った．その結果，従来の制御に比べて1.5倍の年間エネルギー消費効率が期待できることが明らかになったので報告する．