新たな油圧の可能性を探る：油圧式フリーピストンエンジン－エンジンと油圧ポンプを一体化させた新しいタイプの原動機

摘要

クランク軸武内燃機関の熱効率は、最適運転状態なら比較的良好であるが、極低負荷状態（例えば定格出力の5％以下）では著しく悪い。 さらに、無負荷状態でも、無視できない量の燃料を消費する。 エンジン駆動の機械は、作業中に無負荷や極低負荷の状態が必ずあるので、燃料が無駄に消費されている場面が意外に多い。この無駄を省き、燃料を究極限界まで有効に活用する手段に、蓄エネ装置を併用したエンジン間欠作動方式がある。これは、最適運転と完全停止を繰り返す形態でエンジンを使うものであり、完全停止中は蓄エネ装置に蓄積したエネルギーで負荷を駆動する。蓄エネ装置を併用したエンジン間欠作動方式の具体例に、乗用車用のハイブリッドエンジンがある。 乗用車は、無負荷と極低負荷でエンジンを常用するので、ハイブリッド化により大幅な省エネになるが、大変高価である。本稿のフリーピストンエンジンも蓄エネ装置を併用したエンジン間欠作動方式であるが、小形·軽量·低コストになる可能性がある。