テーブル旋回形5軸制御マシニングセンタの精度測定方法：第3回 同時4軸制御運動を利用した静的精度測定方法

摘要

本稿では，テーブル旋回形5軸制御マシニングセンタの幾何偏差を，同時3軸制御運動に代わって同時4軸制御運動を利用して求める方法について紹介する。 同時4軸制御運動は，1回の測定で幾何偏差をすべて一度に検出することができ，その上，計2回と少ない測定回数で幾何偏差の値を決定できる，すなわち同定することができるところに特徴がある。しかし，本稿で説明する偏差の決定方法は，幾何偏差だけが存在し，バックラッシなどの影響が現れないものと仮定しているため，シミュレーションによる結果だけを用いて，同時4軸制御運動による静的精度測定方法を紹介する。 なお，次号では実験値を用いてバックラッシの影響も考慮した方法について紹介する。