最新切削工具による難削材加工：航空機用難削材に適したフライス工具

摘要

セコ·ツールズ（本社スウェーデン）では数年前からプロジェクトとして航空機産業への取り組みを強化してきた。 プロジェクトチームによる市場調査と新素材加工開発や工具開発，切削加工方法考案などに取り組み，市場での加工テストを実施して実加工への適用を推し進めてきたことが現在の難削材加工に対応ができた大きな背景である。航空機に使用される難削材は，構造部品としてアルミニウム合金やチタン合金，高張力鋼やステンレス鋼が多く使用され，エンジン部品には多種の耐熱合金やチタン合金などが使用されている。これらの合金は特性が異なる難削材（表1）と難削性質による加工問題点（表2）を有している。 今回は特に加工が困難とされている析出硬化系ステンレス鋼，アルミニウム合金，チタン合金，インコネルやワスパロイなどのニッケル基合金での加工事例を紹介する。