コスト削減につながる切削工具の使い方＜コスト削減を実現する切削工具＞：ステンレス鋼フライス加工のコスト削減を実現する「コーティング材種AH140/－MS形チップ」

摘要

ステンレス鋼は，耐食性などに優れていることにより，使用頻度が高くなりつつある材料である。 反面，炭素鋼などの切削加工と比べて，ステンレス鋼は，加工硬化しやすい，工具刃先温度が上昇しやすい，工具材料との親和性が高いなどの材料特性から，工具損傷の進行が激しく，一般的に難削材とされている。 フライス加工では，ステンレス鋼の特性から，·切屑凝着による切れ刃欠損で寿命が短い·バリが生じやすい·加工面品位が悪いなどの問題がある。 本稿では，これらの問題を改善することを目的とし開発した，コーティング材種「AH140」および専用インサート「－MS形チップ」について，特徴と加工事例について紹介する。