“小径工具”による高付加価値加工の実現〈高付加価値加工を実現する“小径工具”とその使い方〉：小径ミラクルエンドミルによる高硬度材の高能率加工

摘要

近年，小形部品や小形金型の加工が増えており，小径工具の需要が高まっている。 これらの小形の部品や金型は，焼き入れ鋼をダイレクトミリングするのが一般的である。 このため，高硬度材の高速加工，高精度加工で優れた性能を発揮する小径工具が求められている。 当社ではこのようなニーズを踏まえ，ミラクルエンドミルシリーズ（図1）を商品化している。 特に，材料硬さ50HRC以上の高硬度材の加工を目的としたミラクルエンドミルには，高硬度材加工用に開発した極超微粒子超硬合金とミラクルコーティング（Al，Ti，Si）Nを適用している。 本報では，高硬度材加工用に開発した小径ミラクルボールエンドミルの高硬度材加工における切削性能を紹介する。 また，金型モデルを用いて高硬度材のダイレクトミリングを行ない，高能率加工に適したカッタパスを検討した結果について紹介する。