工程集約,コストダウンを実現する切削工具－〈コストダウンへ導く切削工具とその使い方〉：多機能ドリルによるコスト削減

摘要

当社は，切削工具にとっての永遠の課題である加工コストの削減に対して，FMR（First Metal Removal高能率加工）工具を開発することで実現してきた。 通常加工コストは，ワーク1個当たり一定のコストである材料費と工具費そして時間当たり一定のコストである機械の償却費，人件費，土地家屋代に分類することができる。 加工時間が変化しても，材料費工具費は，ワーク1個当たり変わらないが，時間当たり一定のコストは，加工時間を短縮することにより，時間当たりの生産個数は増加し，ワーク当たりの時間当たりの加工コストは削減される。 通常時間当たり一定のコストは，全加工コストの約70％を占め，20％の加工時間の短縮が実現できると，全体で14％の大幅なコストの削減を達成することができる。 これに比較して，工具費はコスト全体の3～5％を占めているが，50％の工具寿命アップでも工具コストは半減するが，削減額は1.5～2.5％と生産性の向上による削減と比べる効果が大きくない。