マシニングセンタがもたらす新しい加工技術〈中·大物部品の高能率·高精度加工〉：大形5軸加工機による高付加価値加工技術

摘要

近年製造業を取り巻く環境は自動車産業をはじめ，造船，航空機産業，半導体関連など，どの業種もこれまでにない活況にあり，加工する製品も製造日程短縮のため，製品の一体化が進み，大形化の傾向にある。 大形工作機械への設備投資意欲は，今後数年は続く様相である。 ユーザーからの機械仕様要求も，高速だけではなく，工程集約可能な複合加工指向にあり，大形5軸門形工作機械もその一機種である。 5軸加工といえば，プロペラなどに代表される自由曲面加工が注目されてきたが，5軸機と3軸機の間で取り残されてきた多くの技術課題がクローズアップされてきた。 本稿では多軸機の抱える課題を解決して，新しい付加価値を提供する大形5軸加工機「MP-2618 (5C)」（図1）について紹介する。