自動車部品加工のための切削工具活用技術－〈分野別自動車部品加工用切削工具〉：（その他）ダイカスト鋳抜き穴へのダイレクトタッピング

摘要

自動車部品には軽量化，リサイクル率向上等のため，多量のダイカスト製品が使用されている。 ダイカスト部品は，冷却時に収縮するため追加工が必要だが，省資源や切屑を減少させる必要から，ねじ加工が必要な部分には鋳抜き穴が開けられている。 従来自動車部品量産は，トランスファマシンを並べ工程毎に行なっていたため，「穴位置ずれ」「穴のテーパ」「穴曲がり」があっても大きな問題になっておらず，タップ加工だけを高速化する必要がなかった。 近年，自動車業界では多量生産より小ロット生産が主流となり，トランスファマシンからマシニングセンタやタッピングセンタなどNC制御機械に設備の置き換えが進み，加工工程毎の加工時間短縮が不可欠となり複合工具による工程省略が進められてきた。