異物で汚染された潤滑環境に起因する機能表面損傷の革新的な分析に基づく軸受の寿命予測

摘要

さまざまな機械装置の多くノの潤滑環境は異物によって汚染されやすいため，こうした装置に組みこまれている機械コンポーネントの異物粒子の有害な影響に対する抵抗力を最高レベルまで高める必要がある。 多くの設計者と潤滑の専門家は，さまざまなコンポーネントの損傷モードと異物による潤滑剤の汚染レベルとの間に存在しているはずの相関関係に気づくことなく，こうした問題の解決法に思いをめぐらせることもなかった。 そのうえ設計者は，時系列的に累積されてくる軸受損傷のすべてを関連づけて分析できるツールを必要としている。 たとえばほとんどの場合，機械装置の使用期間が経過するにつれて軸受の機能表面は次第に傷ついていく。新しい分析ツールを用いれば，機械装置の寿命のさまざまな段階における表面損傷の分析を完全に行なうことができる。この新しい損傷分析は，異物による損傷形態分析と適切に名づけられている。 このような表面分析法に基づいてえられたデータは，軸受の新しい寿命予測モデル作成のために用いられる。 寿命モデルと累積損傷法と結びつければ，異物によって汚染された潤滑システムにおける損傷の時系列的な進展の評価が可能になる。ここではこのような評価の結果および，設計ツールとしてのこの方法自体を説明することにする。