動力伝導装置：運搬機械における最適なギヤモータの選定

摘要

運搬機械の多くは、ACモータ、DCモータ等の回転動力源を持ち、その動力源から負荷が要求する動力·回転速度を作り出すための不可欠な装置として何らかの減速装置を持っている。 減速装置の主な役割としては、回転速度の変更、伝達力の変換、伝達方向の変更等があるが、その役割を担う装置として最も多く使用されているのが、歯車方式による減速機である。 従来、各種運搬機械の駆動部は、こうしたACモータ、DCモータ等のモータと減速機及びその連結要素であるカップリングやベルト、チェーンドライブによって構成されていたが、近年、多元化の流れに伴い、多数の駆動部が必要になってくると、機械加工された取付ベース上に各々に設置され、かつ連結要素で連結ざれたモータと減速機では各々の心出し等により組立工数にかなりのコストと時間を要してしまう。 これに対し、モータと減速機を組み合わせたモータ付減速機の「ギヤモータ」はモータと減速機の連結要素が不要となり、駆動部スペースのコンパクト化と材料費、組立作業等の機械コストの大幅削減が可能となる。 現在、各種運搬機械の駆動部はそのほとんどがこうした「ギヤモータ」である（写真1）。