エコスラグ：岩手·青森県境不法投棄廃棄物溶融スラグの有効利用

摘要

岩手県二戸市と青森県田子町にまたがる27万m{sup}2の原野に、87.6万m{sup}3と推定される国内最大級の産業廃棄物の不法投棄事件が勃発した。 岩手県、青森県とも2004（平成16）年度からその処理に着手しており、一部は溶融処理している。 溶融によって発生する溶融スラグの有効活用は重要な課題であるが、産業廃棄物や不法投棄物由来の溶融スラグの利用事例は少ない。 我々は負の遺産である不法投棄物を資源として利用するために、不法投棄物の代表試料を試験的に溶融し、溶融スラグの安全性や物性を評価すると共に、コンクリートやアスファルト混合物の骨材として利用する研究に取り組んでいる。 本報告では、研究成果の一部である県内K社の溶融スラグについて報告する。なお、本研究は2003（平成15）年度から岩手大学工学部建設環境工学科藤原研究室、溶融処理技術を持つ企業、岩手県コンクリート製品協会等と共同で実施している。