インダストリー4.0 はモノづくりをどう変えるか 第12回 インダストリー4.0 は製造業の雇用をどう変えるか（その2）

摘要

ドイツ·ヘッセン州ギーセン（Giessen）のミッテルヘッセン工科大学（THM; Techmische Hochschule Mittelhessen）のゲリット·サムス（Gerrit SameS）教授は，工場における単純労働は，その労働形態が変化すると強調した。その事例として挙げたのが，SAPのスマー眼鏡である。そのウエアラブル端末を身につけると，視覚のなかに，作業指示が表示される。作業者は，その指示に従って，作業を行う。同教授が指摘するのは，このように工場の作業現場における作業内容が変わると，現在の作業員を再訓練することになるが，変化後の新しい作業に適用できる人間と適用できない人間が出てくる。また，従来の作業であれば適用できなかったが，新たな作業であれば適用できるという人間もいる。すなわち単純作業を行う人間のリシャッフルが起きると指摘する（図1）。