機械要素の動向と課題③：シール技術－過酷な環境下での密封性と低摩擦化を実現する

摘要

自動車をはじめとする輸送機器，電力·エネルギー関連機器，産業機器などで幅広く使用されている密封装置（シール）は，密封対象の漏洩防止や異物の浸入防止による機器の寿命向上という観点で環境保全に直接的な関わりを持つが，動的シールは摩擦損失の低減による機械装置の省エネルギーへの貢献という点においても重要性が高まっている。また，近年発生している機械にまつわるさまざまな事故についても，シール技術も無関係ではないと思われる。本稿では，個別の詳細については割愛し，代表的なシールについて，最近の研究動向から今後の課題や展望について述べる。