多忙な設計者のための公差設計向上術「バラツキのツボ」を見抜く 第5回 3次元公差解析で「ツボ」を暴け！

摘要

前回は，公差とともにバラツキ問題の大きな要因の一つである「ガタ」の検証方法を検討した。寸法公差と穴·軸はめあい部のガタのそれぞれの寄与率を求めた結果，寸法公差と同様にガタも図1の製品における「バラツキのツボ」と確認できた。対策としてはガタの要因となる穴·軸の径公差（穴：＋0.05／0，軸：-0.02／-0.07）を変更する方法も考えられるが，別の対策として穴の長さを図2のように長く変更する方法を提案。バラツキ計算により効果も確認できた。バラツキのツボが明確化したら，やみくもに公差を厳しくするのではなく，形状·部品構成の変更を含めた設計再検討により「元々バラツキが起きにくい製品」に仕立てるのも設計者として非常に重要な技術である。