エコスラグ：再生製品の有効利用における環境安全性－溶融スラグのJIS化を契機とした今後の展望

摘要

今般、溶融スラグのJIS化が長期間の検討の末にようやく実現したが、時間を要した最大の理由は、再生材のJIS規格において初めて環境安全性に係る品質基準を導入することとなり、以降の他の再生製品、再生材のJIS化に係る検討に波及することが考えられたことから、より骨太の議論が必要であったことに他ならない。 本稿では、今般の溶融スラグのJISにおいて採用された環境安全性に係る基準について、どのような考え方、根拠等に基づいて策定されたのかについて概説すると共に、海外の再生製品（材）に関する環境安全性の基準や管理の考え方の動向について紹介し、今後の展望について述べたい。