再考·原価低減コストのわかる設計者になろう：第6回 やみくもなコストダウンには明日はない

摘要

今回からは，コストダウンを促進せるための，中長期的かつ本質的な取り組みについて触れていきたい。さまざまな企業のコストダウン活動を見て感じることとして，「とりあえずVEのアイテムを考えよう」「今回の目標は厳しいぞ。まず全員で出せるだけのアイデアを出すぞ！」といった光景を見る。アイデア出しを全員で積極的に行うことは望ましい。しかし，そこに体系立ったフレームワークが存在しない。開発機種数やバリエーション数が増え，設計業務量は年々増えている。そんな中，やみくもに行うコストダウンは設計現場を疲弊させ，本来行うべき技術革新への取り組みを見えなくしてしまうことがある。気合や意識の高さだけではなく，コストダウン促進のフレームワークを構築することが根本的なコスト競争力をつける術となる。