差別化のポイントは「使いやすさ」の追求にあり！ユニバーサルデザインの考え方と適用の実際：使いやすさに関する評価項目を数値化，高齢化する農機のユーザーに安心を提供

摘要

使用期間が短いことから習熟しにくいという面もある。 たとえば稲作では，耕うん，代掻き，田植え，収穫のように季節ごとに異なる作業をそれぞれ異なった農機で行うため，各作業は短い人では2～3日ほどで終えてしまう。 そのため，各農機の操作は慣れ始めた頃に，作業が終わり，来年まで使わないという状況が繰り返される。 また，使用する環境に不整地やぬかるんだ水田などがあり，これらに適応するために地上高の確保などの構造的な制約がある。 さらに，これらの使用上の特徴に加えて，ユーザーである農業従事者の高齢化という問題がある。 農水省統計資料によると，2006年度の農業就業人口の年齢構成では，65歳以上が約6割を占める。 そのため，農機による作業の省力化は元より，操作する高齢者に対する配慮をしていかなければならない。