ハンドロボットの設計·製作プロセスから学ぶ－実践メカトロニクス：第6回 インターネットからの通信制御

摘要

インターネットを利用して，遠隔から何かを監視したり，操作したいという人の欲求は，昔からあったようだ。 インターネットが世の中に広がり始めた1995年頃，ケンブリッジ大学のコンピュータ研究所のコーヒーサーバーが話題になった。 サーバーと言ってもコンピュータのサーバーではなく，コーヒーメーカーのことである。 研究所の仲間で1台のコーヒーメーカーを共有していたのであるが，コーヒーを飲みに自分の部屋から階段を降りてきたとき，ポットが空になっていると，コーヒーが飲めないことと無駄足になったことに，ひどく落ち込んだそうである。 そこで，コーヒーメーカーの前にビデオカメラを取り付けて，映像をWebに配信したのである。 これで，各自のワークステーションからコーヒーの有無を確認できるようになった。 その話が，新聞，ラジオなどのマスメディアに取り上げられると，物珍しさから世界中の何十万人の人がインターネットを利用して，研究所のコーヒーメーカーを見るようになり，たちまち世界でもっとも有名なコーヒーサーバーになったそうである。