環境モニタリングの要素技術－微気象観測への機械工学からのアプローチ

摘要

上述の状況を背景として，本稿では，機械工学分野で培われてきた計測技術とデータ解析手法を基礎として，それらを微気象の観測と分析に適用する試みについて述べる．微気象観測に利用できる様々な機器も市販されているが，著者らが目指す方向は，機械工学分野で多くの実績がある速度と温度の多点同時計測技術と乱流統計解析法を基礎とする微気象の観測と分析である．これを実現するには，時間·空間分解能が十分に高く，かつできる限り簡便で安価な環境モニタリングの要素技術を確立する必要がある．そこで，一つの試みとして，金属細線を用いた気温と風向·風速の測定法について以下に解説するとともに，それを用いて得られた観測結果の一例を紹介する．