旋削加工の生産性·付加価値をもっと高めよう：難削化するワーク形状·材質に対応する最新のスローアウェイチップ

摘要

21世紀を迎え，製造業は急激な技術革新に直面している．切削加工においては，高性能材料の普及による難削材ワークの増加，トータルコストダウンを背景としたニアネットシェイプ素材の増加，部品の軽量化，高機能化による形状の複雑化など，ワーク材質·形状ともに一段と難削化する方向にある．ものづくりの基本は，いかに「早く·安く·良い」ものをつくるかであるが，そのためには，高い生産性（高能率加工）によるコストダウンが必要不可欠である．したがって切削工具にはワーク材質，形状に関わらず，いかなる切削状況下においても常に安定した高い生産性を維持できる性能が要求される．本稿では，切削加工現場において増加傾向にある難削材，複雑形状素材を対象とし，生産性が低くなりがちなこれらの被削材に最適な旋削加工用スローアウェイチップを紹介する．