第24回 複合材料の加工－ガラス繊維強化プラスチック，炭素繊維強化プラスチック，紙入りフェノール樹脂

摘要

二次元切削における切削時間と切削抵抗との関係繊維各種材料を切削する場合に，すくい角を大きく+αで削り，小さく-αで削る場合において，切削工具の先端では応力の大きさが異なる．特に，この2つのすくい角で，+αはプラスチックに引張り応力が働き，-αは圧縮応力が作用する．一方，切削中に切削温度が上昇する．図300に，紙入りフェノール樹脂にガラス基材と紙基材を混入した時の温度と引張り強さとの関係を示す．図から分かるように，この2つの材料は，温度が常温から210℃まで上昇すると引張り強さは減少する．また引張り強さの差は，温度の上昇領域では約7倍に達し，ガラス繊維強化フェノール樹脂の強度がいかに高いかが分かる．