ビギナーのための：早わかりCAM講座－第20回 高精度·高能率加工のためのCAM支援システム

摘要

前回までにCAMの基本的機能であるNCデータの出力を見てきた。 NCデータはあくまで加工用データであるから、これによって精度と能率を考慮したものでなければならない。 そのために最適加工条件の選定のしくみが重要で、CAMにはデータベースに基づく自動決定システムが組み込まれていて、その基礎になっている加工の固有技術についても17回で述べた。 最近の機械加工では製品の高付加価値化にともない、さらに精度の高い加工と高速切削などによる高能率化、無人加工などの自動化が進められている。 これらに対する対処も工作機械メーカーは当然のことながら、ユーザーにおいても積極的に進められている。 例えば、加工精度と加工能率に関しては図1に示すような精度·効率に与える要因が考えられる。ハードウェア的な対策としては、熱パランスの良い構造にするとか、動的·静的剛性を考慮した構造とするとか、主軸の潤滑方式を工夫するとかさまざまな対応が図られている。これらの工作機械固有の改良·開発に関してはメーカーに依存することになる。