冷間金型材料の現状と開発動向

摘要

冷間加工には、鍛造、プレス、ファインブランキング、転造、ロール成形などがあるが、近年のニアネットシェイプ化や、自動車部品へのハイテン（高張力鋼板）適用に代表される被加工材の高強度化に伴い、加工に用いられる冷間金型にかかる負荷は、ますます過酷化してきている。その一方で、製品メーカーの海外への生産移行や、東南アジア諸国の台頭など、グローバル競争が激化してきており、その中で生き残るために金型製造コストの低減や、加工時間の短縮および熱処理効率の改善によるリードタイムの短縮が金型製作における重要な課題となっている。本稿では、このような「高性能化」、「使いやすさ」、「コスト削減」など多様化するニーズに対応するための最近の冷間金型材料開発動向と、開発材料の一例として当社の冷間金型用鋼について紹介する。