自発的に行動できる技術者を育成するために

摘要

当社は、1978年に神奈川県西部の秦野市にファインブランキング（FB）加工専業メーカーとして創業し、現在のコア技術はFBと冷間鍛造を組み合わせた板鍛造技術やある（図1）。1987年に薩摩工場、2000年に大井松田ツールセンター（2006年に本社へ移転）、2001年に豊橋工場を開設し、国内拠点を拡充した。2005年にはタイにJapan Fine Blanking （Thailand）Co.，Ltd.、2006年にはフィリピンのJFB-TECH. Ltd.の株式の過半数を取得す′るなどして海外事業も展開している。1999年時点の従業員数が40名前後であったのに対し、2014年12月時点では、国内130名、海外220名、グループ全体で350名となっている。総従業員数に対し、拠点が国内4、海外2拠点あり、かつ15年で従業員数は8.75倍に成長する中で、いまだ試行錯誤しながら人材育成、技能伝承を行っている。しかし、勤続10年前後の人材を見ていると将来有望な者が現れているのも事実である。本稿では、当社の人材育成·技能伝承の枠組みを紹介しながら、当社の技術者のケーススタディを見ていく。