3K職場だからこそ欲しい女性の繊細さ

摘要

ここまでの経営悪化は、創業者を引き継いだ二代目に原因があるというのが私なりの判断だった。「人が良すぎる」、「研究熱心で、こだわりが強い」。学者としてなら大成したかもしれないが、コスト意識がないのでは町工場はやっていけない。看板は下ろしたくないし、社員全員を路頭に迷わすわけにもいかない。と言っても、私にも再建への秘策があったわけではない。仮に失敗したとしても、それはこのまま夫に任せておくのと結果は同じことのように思えた。その場では確たる返事がなかったが、9月末の決算ギリギリになって、いきなり実印が手渡された。私も覚悟を新たにした。