小径cBNエンドミルによる金型用鋼材の直彫り加工

摘要

IT関連製品をはじめとする工業製品の小型化·高性能化が進み、これらを製作するためのツールである金型の小型化·高精度化もいっそう強まっている。 一方で、工業製品の頻繁なモデルチェンジから型製作のリードタイム短縮が急務であり、対応策として、放電加工から高速ミーリングによる直彫り加工への展開が注目されている。 このような背景から、小径エンドミル工具の使用頻度が高まってきており、これを用いた高硬度金型鋼材の効率的な切削加工技術として、特に長寿命工具の開発と最適切削条件の実現が課題となっている。 一方、当社は約100年続く彫刻業出身の製造業着であり、ベアリング用刻印や時計·電池の裏蓋などに打刻する刻印の製造販売、および彫刻業の微細加工技術を生かした金型の微細加工を手がけるメーカーである。 また、社内で使用する工具の90％以上が内製であり、かつ微小径のエンドミル工具であることから、特に最近では高硬度金型鋼材の高速ミーリング用cBNエンドミルの製造販売を行っている。そこで本稿では、小径cBN エンドミルの開発と、これを用いた加工技術の事例について紹介する。