真空、圧空成形型のパイオニアとして

摘要

当社は1956年、東京都台東区において真空成形樹脂型製造業として創業した。 まだ日本には樹脂型と呼ばれる材料がなかったため、アメリカのレゾリン社よりツールプラスチックと呼ばれる、熱硬化性樹脂を輸入しての発足であった。 この年、有楽町に新しいデパートが建設された。 その際、天井部分を光天井とするためにアクリルを成形加工した蛍光灯カバーを、某工場がプレス加工していたが、加工時間がかかりすぎて、ピル完成に間に合わない騒ぎとなった。 それを聞きつけた、当社創業社長の山崎晋（現会長）がそこへ駆けつけ、「ドイツで開発された真空成形法」を説き、当時ドイツより輸入すると300万円した、真空成形機とそれに必要とする樹脂型がセットになった成形加工の一切を、わずか3万円で製作し、デパートの光天井完成に貢献したのである。 このことを機会に、当社は真空、圧空成形用金型のパイオニアとしてスタートしたのである。 その後、型の材質もフェノール樹脂からエポキシ樹脂に変革し、さらに耐久力、熱伝導性の優れるアルミニウムへ進化し、当社の技術、設備も変革してきたのである。