VODCプロセスの概要とメリット

摘要

当社は酸素吹き込みによるPFD(Pore Free)ダイカスト法を用いて、二十数余年、ホイールを主とした製品の製造販売を行ってきた。その間、PFD法は熱処理可能なダイカスト製法として、評価を受けてきたが、近年のさらなる高品質化、複雑形状化、さらには薄肉化のニーズに対応すべく、このPFDによって蓄積されたノウハウをもとに新ダイカスト法の開発を行ってきた。 今回、開発したVODCは、「Vacuum Oxygen Die Cast」（真空酸素ダイカスト）の頭文字をとって「VODC」（登録商標）と称するもので、当社のPFDとアルキャンBDW（旧アルスイスBDW）の真空ダイカスト法であるMFT(Minimum Fill Time)法を融合し、各々の長所を生かしたものである。 高品質ダイカスト製品は通常、真空ダイカスト法で生産されているが、真空ダイカスト独自の型内真空維持の難しさや日常のメンテナンスの煩雑さのため、多くの苦労をしながら量産を継続してきたのが現状である。 これに対して、VODCは給湯する前に真空排気と酸素流入を行うことにより、真空ダイカストの上記課題を低減し、安定的な量産を行うことが可能であることと、PFDおよびMFTを融合したVODCユニットを通常のダイカストマシンに付帯するだけで実施することができる。つまり、現有のダイカストマシン設備が利用できることも特徴の一つである。