ネットワーク輻輳解消のためのタイムシフト制御方式

摘要

急増するモバイルトラフィックに対して，ネットワーク提供者は限られた資源を有効に活用しつつユーザ体感品質を維持することを必要としている．本稿では，通信の競合によるスループット低下を回避するためのタイムシフト制御方式を提案する．本方式は，綱の混雑状況と通信の特性を入力として各通信に対する綱内でのシフト時間を決定し，各通信の配信先の経路の混雑度が高い場合は非リアルタイムの通信を綱内で蓄積し，決定された時間後に配信することを特徴とする．提案方式のプロトタイプシステムを用いて，疑似生成したモバイル端末のトラフィックを流した際のスループットを計測した結果，リアルタイム通信のスループットを最大60.6％改善できた．本実験により，タイムシフト制御方式がネットワーク輻輳解消に有効であることが示された．