トータル呼損率低減フロー受付制御の待時即時混合モデルへの拡張

摘要

音声や動画像などのマルチメディアアプリケーションの普及に伴い，帯域の異なる通信を同一網に収容する際，通信品質維持のため，受付制御(Call Admission Control)を行う必要がある．しかし，綱の利用効率向上が目的の従来方式では，帯域の小さなユーザが多数呼損となり，不満を持つユーザ数が増加する問題が生じる．そこで，これまでに全ユーザの網への収容により得られる満足の最大化を目標とした，新しい受付制御方式を提案し，理論解析により，最適制御パラメータを導出し，提案方式の有効性を示している．この提案手法では，収容済み帯域が制御パラメータを上回った場合には，広帯域フローを呼損として取り扱っていた．しかし，ここで広帯域フローとして想定している動画像配信などにおいては，収容前に多少の待ち時間を許容できると考えられる．そこで，この広帯域フローを待合わせ放棄のある待時フローとして取り扱うことにより，合計収容フローをより一層向上させる受付制御方式を提案する．この提案受付制御を実現するにあたり，対象とする待時即時混合待ち行列システムにおける課題を明らかにし，今後の研究の指針を示す．