ネットワーク品質測定に基づくIP電話インサービス品質推定法

摘要

IP電話サービスの普及に伴い，インサービスでの品質管理技術が注目されている．インサービス品質管理では，呼毎(Call－by－Call)にパッシブ測定を実施する技術（Non－intrusive 測定）が要求される．Non－intrusive測定には，音声信号とネットワーク品質を測定する2つの方法があるが，本稿では，測定の容易さ，スケーラビリティの面から，ネットワーク品質測定を利用する技術に着目する．現在，この技術の一つとして存在するVQmonでは，ネットワーク及びVoIP－gateway上での品質情報（中間パラメータ）を取得し，受聴品質やMouth－to－Ear遅延を推定する．しかし，受聴品質推定アルゴリズムは劣化隠蔽処理やアナログ特性等のやIP機器の実装依存性を考慮しておらず，品質推定精度を保つことが困難である．本稿では，実装依存性の問題を解消した品質推定法を提案し，その有効性検証にもとづいて，実用的にも十分な品質推定精度でインサービス品質管理が実現可能であることを示したし．