C/C複合材のパンタグラフすり板への適用

摘要

近年,在来線のパンタグラフすり板は,従来の焼結合金すり板から,トロリ線を摩耗させにくいカーボン系(炭素系)材料が置き換えられている。 カーボン系すり板は脆性材料であるため,すり板自体に雌ねじ加工を施し,ねじ締結によりパンタグラフに装着することが難しい。 現状ではすり板自体を取付ボルトを組合せた鉄鋼製のさやに収め,さやを介してパンタグラフにすり板を取付ける方法がとられているが,この方法ではパンタグラフの簡略化,軽量化を進めることが難しい。 そこで,雌ねじ加工が可能なカーボン系材料として,炭素繊維強化炭素複合材(C/C複合材)をパンタグラフすり板に適用し,ねじ締結部の耐久性,すり板としての耐摩耗性を調査した。