実測に基づいた中間周波数帯WPTシステム近傍におけるSAR評価法の一検討

摘要

本研究では，中間周波数帯（10kHz-10MHz）で動作するワイヤレス電力伝送（wireless power transfer，WPT）システムに対するばく露評価を行うために，システム近傍に配置した人体等価液剤ファントム内の比吸収率（specific absorption rate，SAR）の測定が可能なシステムを構築した．また構築した測定システムを用いてファントム内の最大局所10g平均SARを評価した．実験には，6-10MHz帯で動作するスパイラル型とソレノイド型のWPT システムを用いて12個のばく露条件下でSARの評価を行った.その結果，数値解析及び実測による最大局所10g平均SARは30%以下の差異で一致し，本測定システムおよび外挿法を含むSAR評価法の妥当性を確認した．