空間表現システムによる表現手法の比較実験

摘要

幼児期の空間表現能力の発達過程を把握することを目的とした3D表現システムの開発を行った．3D表現システムは空間表現能力が未発達と考えられる幼児から3D空間を持った表現を得るために，「移動実験」，「回転実験」，「配置実験」を搭載した．幼稚園児を対象として，本システムによる表現の把握と知能テストによる表現の把握の比較実験，および，配置実験に使用する紙の図形を変えた場合の比較実験を行った結果，1）移動実験および回転実験は知能テストとの間に相関があり，本システムは空間表現能力を把握できていると考えられる，2）配置実験に使用する紙に「花」と「地面」というような具体的な絵を提示するよりも単純な記号を提示する方が結果が良いなどの知見を得た．