Webプログラミング言語講義のための教育システムの開発

摘要

プログラミングの授業時に教師がサンプルコードとその動作を演示する場合，プレゼンテーション画面と実行環境を切り替えながら説明する必要がある．この場合split-attentionの影響を受けることが考えられる．Split-attentionを減らすには，プレゼンテーションスライド中にプログラム実行環境があることが望ましい．筆者らはHTMLプレゼンテーションツール上で，Webプログラミング言語のサンプルコードを記述し，それを動作·表示させることができる機能を実装した．本稿では，ツールを用いた場合と従来手法における比較実験について述べる．被験者を2群に分け，JavaScriptのオブジェクトの概念についての講義を行った．講義は4つのセクションに分かれており，ツールを用いた手法と従来手法を交互に用い，セクションごとに小テストを行った．結果として，ツールを用いた講義は従来手法と比して比較的内容が複雑となった場合に正答率が高くなる傾向があった．また，事後にアンケート調査を行い，ツールを用いた講義のほうが学習しやすいとの回答を得た．