開発購買の技法(1)

摘要

我々の開発購買研究会は「開発購買とVE」というテーマで本誌に過去5回にわたって連載させていただいた。そこで開発購買を次のように定義した。「開発購買とは開発設計活動において、バイヤーが取引先の協力を得ながら開発設計者と連携して新製品の諸目標の達成を支援したり共同推進する活動である」と。その活動をつきつめて研究し、実態調査などを行っていくと、開発購買の根幹をなす思想·考え方が存在することが分ってきた。それを整理していくと五つの原則となった。逆のいい方をすれば、この5原則に立脚して開発購買論が展開されるともいえる。これから5回に及ぶ連載「開発購買の技法」も、この5原則の上に成り立っているのである。第一回目の本稿では、この原則について簡単に触れ、開発購買の主要機能を明らかにする。そして、この主要機能を果すために必要となる主要なツール（情報）を列挙する。その上で「調達しやすい設計を支援·共同推進する」という機能を果すために必要な「推奨部品情報」と「使用禁止部品情報」の作り方や使い方などについて述べることにする。