大村昭人著「医療立国論」 (日刊工業新聞社)

摘要

「医療立国論」という面白い本が出版された.だいぶ前から「医療費亡国論」という言葉は聞いたこともあったが,それとは全く逆の題名であり,まず興味をそそられた.著者は,帝京大学名誉教授の大村昭人先生である.先生は,長年にわたり麻酔科医として,あるいは医学部長として医療現場に関わってこられており,その方がどうしてこのような題名の本を書かれたのかと不思議に思いながら読んでみると,その内容は驚くことばかりである.