ベルチェ素子とスターリング冷凍機を利用した電子式凍結手術装置の研究

摘要

現在，悪性腫瘍や疣贅に対し行われている治療の一つとして凍結手術があげられる．凍結手術は1961年Cooperによって液体窒素を用いた凍結装置が開発されて以来，皮膚科領域など多岐にわたる分野において利用されており，生体に極低温を作用させその部位の生体反応を利用した手術方式である．装置は液体窒素などの相変化を利用して極低温を得る装置やアルゴンガスなどのJoule－Thomson効果を用いた装置がある．凍結範囲の決定は治療効果向上に対して非常に重要であり，最近ではMRIなどによる画像化によって凍結範囲計測が可能となってきたが，手術中の精密な温度測定を行っている例は少ないと思われる．