我が国の畜産経営の現状について—畜産物の生産費でみる

摘要

農水省が畜産物価格等の決定に向け取りまとめ公表した平成二十一年度(二十一年四月-十二一年三月)における畜産物の生産費をみると、，一頭当りの資本利子.地代全額算入生産費(以下、全算入生産費)は、子牛(肉専用種)が前年比〇、一%減、去勢弱齢肥育牛が同八.五％減、乳用おす育成牛が同一一％減、乳用おす肥育牛が同一二. 一 ％減交雑種育成牛が同三. 一％減、交雑種肥育牛が同一六.八％減、肥育豚が同一一.八％減といずれの畜種においても、配合飼料価格の低下により飼料費が減少したこと、牛関係ではもと牛導入時期におけるもと畜費の減少により前年を下回っている。また、牛乳の全算入生産費でも、配合飼料価格の低下により飼料費が減少したことから、搾乳牛通年換算一頭当りで前年比二.九％減と前年に比ベ減少している。