新たなアサリの増産をめざして

摘要

私たちの属する大和高田地区は、福岡県 柳川市とみやま市高田町に位置します。有明海は、福岡、佐賀、長崎、熊本の4県に 囲まれた内湾性の海域面積の狭い海です 力、九州最大の一級河川である筑後川等か ら豊富な栄養分が供給され、漁業生産力の 非常に高い海域として知られています。大 和高田地区は、この筑後川の東方にあり、 福岡県有明海区の丁度、中央に位置してい ます。福岡県有明海は、最大で6 mにおよ ぶ日本一の干満差によって、干潮時には広 大な干潟が形成され、シタビラメゃムッゴ ロウ及びミドリシャミセンガイなど、有明 海特有の魚貝類をはじめ様々な生き物が生 息しています。有明海では、支柱式のノリ養殖が主な漁 業ですが、それと共に豊かな干潟域を利用したアサリ、サルボウ等の採貝漁業も春か ら夏場の生活を支える重要な漁業です。特 にアサリは、近年、全国的に漁獲量が減少するなか、福岡県は、平成18年、19年と全 国でも2位、3位の漁獲量を上げています。 しカゝし、アサリを始めとする貝類は、資源 量に年変動が大きく、不安定な要素も含ま れています。福岡県有明海区でも、5年か ら10年毎に豊凶の変動を繰り返していま す。そのなかで、どうにかして安定的なァ サリの生産力見込めないかと、私たち若手 の漁業者で構成されるアサリ漁業管理委員 会で、新たなアサリの増産に取り組みまし た。