プロのコッ教えます木村正彦の楽しい盆栽教室「小品五葉松素材の整姿」

摘要

曰々の水やり管理は励行されていても、盆栽としての基本的な骨格作りがなかなか行われず、棚場の隅で何年間も放置されたままになつている盆栽に心当たりはないだろうか。今回はそんな、どなたの棚にもあるような、まったく手の入っていない素材を見事な盆栽に昇華させる手入れの実際を見ていただこう。水揚げが盛んになり、樹がいくぶん軟らかくなるこれからが、針金かけ整枝の好季でもある。生徒先生、季節もようやく春らしくなつてきましたね。木村先生そうですね。これからは旺盛に新芽が吹いてきて盆樹も吸水活動が盛んになりますから、この時期に励行しなければならない手入れや適した作業がたくさんありますね。水揚げがもっと盛んになってもう少し後〔5月以降)なら、真柏の舎利幹作りなども適期を迎えますが、今日はこの五葉忪を整枝してみようと思います。